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風や水を切る Familiar or stranger

 

​神戸六甲ミーツ・アートbeyond 2025

2025年8月23日[土]ー11月30日[日]  会場/森の音ミュージアム SIKIガーデン 他全9会場

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​風や水を切る Familiar or stranger / 琉球漆喰、鉄 2025 

​(神戸六甲ミーツ・アートbeyond 2025公募 準グランプリ)

「作品に出会う」という体験

 木々や植物が生い茂る湿地に作品が佇んでいる。薄いかたちは角度によって全く異なる見え方をし、木道を通り徐々に作品の存在に気づく出会い方をする。また飛び石を渡って、作品に近づき触れ、手の感覚を通して鑑賞してもらいたい。

 

 「呼吸する素材」自然由来の建築材の漆喰

 呼吸をする特徴は、人や生きものの皮膚を連想させる。彫刻を単なる無機質な構造物ではなく、生きたものとしてに立ち現れることにこの漆喰が有効に働く。漆喰の匂いに誘われてハチやアブ、チョウなど多くの昆虫が集まる様子は、ここに住む生きものにとっても環境の一部として作用していることを考えさせられる。

 

 タイトル「風や水を切る Familiar or stranger」

 彫刻作品を介して、風の流れや空気のうねりなどの周囲の環境を”みる”ことを狙いとしている。翼や魚、オカリナなど、形体についていろいろな解釈があった。作品はみる人それぞれが持っている記憶から自由に解釈するもらいたい。知っているようで知らない、知らないようで知っている何かという意味を英語タイトルに込めた。

 

 身体を通した多様な経験が置き去りにされがちな現代、「触れる」「気づく」「感じる」といった身体的な体験をこの作品を通し提供したい。そして多くの生きものが住まう六甲の自然の中で、多くの人や生きものが作品と出会い、触れ、体で感じることで、この彫刻作品もまた六甲山の生きものの一員として迎え入れられるーーそんな存在になればと願う。​

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